●カレイのから揚げ講座
「左ヒラメに右カレイ」とは
似ている平べったい両魚の見分け方・・・。
表向いてる時どっちの目が上か・・・でわかる。
世界で100種類ほど生息し
日本近海では宗八、黒頭、砂、婆、油、石など
40種あまりが獲れるらしい・・・
カレイ〈鰈〉である
よく釣りに出掛ける石狩、小樽近海では春先から
腹側の尾の付け根が黄色いマガレイが多く釣れる。
船でちょいと沖まで出て半日釣ると、ものすごい数になる時もある。
このマガレイ、から揚げが一番旨い!
外はカリッと、中はふんわり揚げて
こだわりのお塩(人それぞれあると思うが)だけでいただく・・・。
病み付きになる旨さだ!
ちなみに病み付きとはやめられなくなることだ!
やめられない、とまらない、マガレイのから揚げだ!
ちょっとクドいな、今日は・・・。
釣ったその場で頭を落とし、内臓、血を出し海水で洗う(ここが最重要ポイント)!
家帰ってその日食う分を残し、速攻ジップロックに小分けして大量に冷凍。
釣れない季節が来ても少しずつ解凍して、いつでも美味しいマガレイが食える。
冷凍していてもスーパーや市場のマガレイ、
その辺の居酒屋で出てくるマガレイとは雲泥の差だ!
やはり網に引っ掛かって、もがき苦しみ、死んでからも
すぐにさばかれなかったものは身に血のすじが残り少し妙な味がする、と思う。
マガレイ自身も、やはりサオで丁寧に釣られる事を望んでいるに違いない!
しかし魂の調理人である僕にとって、この「マガレイのから揚げをおいしく揚げる」は
去年からの最大の難題であり、なかなかうまく揚がらない!
だが今年、試行錯誤、研究の末やっと一番美味しいであろう揚げ方を体得した。
ここに若干のポイントを記そうと思う!
前述の最重要ポイントをクリアしてからの続きだ!
こう言った場合、画像にそって流れが展開されるがそんなものはない!
料理本ではないから・・・が理由だ!あ・し・か・ら・ず・・・
@マガレイの表面のヌメリをはっちゃき(北海道方言)になって落とさない。
A火の通りを良くする為に身に包丁で×をたくさん入れる人がいるが
煮物にするには味がしみ込んでいいのかも知れないが
身が油っこくなるのでから揚げには向かない。
表と裏の真ん中に縦一本ずつ、軽く切り目を入れればOK!
B色々試してみたが粉は薄力小麦粉でも片栗粉でも良し。
オレは小麦粉の方が好みだ。バイオレット粉もグッドだな。
表面のカリカリ感をより求める趣向の人は片栗粉だ。
Cしかし油はちゃんと選ぼう。ただのサラダ油だけは避けよう!
オレイン酸が多い菜たね油、コーン油などがお勧めだ。
たくさん食べても油っこくならない。
リノレン酸とリノール酸のバランスも考えたいところだ!
D身全体に粉をつけて(付け過ぎない、軽くたたいて余分な粉は落とす)
中温でわりと軽く揚げる。火の通る程度だ。まだ終わりではない。
Eよく油を切った後、もう一度粉をつけて今度は高温で
表面がカリッ、パリッとなるまで揚げる。
カレイを立てて(油切りなどで)油をよく切る。
Fマガレイの両肩(意味わかるよね?)を持って服脱がすみたいに
スルっと身がはがれれば成功!
Gあとは各自こだわりのお塩でいただく(ない場合アジシオが良いと思う)
うまく揚がっていれば、骨だけしか残らない。
骨も食したい場合は2枚か3枚に下ろしてから揚げよう!
栄養的には、白身には質のよいタンパク質、ビタミンB1、B2が多い。
皮の部分にもビタミン、そしてミネラルが多く含まれる。
縁側と呼ばれているヒレの付け根の部分には
皮膚に張りを持たせると言われているコラーゲンという
タンパク質が多く含まれてる。そう、身体にも美容にも非常に良いのだ!
油の温度、揚げ時間、粉の種類、量などは何度か試行錯誤すると
自分の好みが見えてくる。
さぁ、みんなも美味しいマガレイを釣って
レッツクッキング!
2005/12/5